自分の長所をお金に換える
稼ぐなら長所をいかして、楽しいほうがいい。
星野大学時代は、コミュニケーション能力を磨くバイトをしたとか?(笑) 水崎接客業は楽しかったですよ(笑)。自分の長所で稼ぐ、お金に換える、その術をいつも考えていましたから、磨くというより、その術を試してみたかったのかもしれません。それがいかに楽しいかを知ることができたのは収穫でした。 星野すべては今の仕事につながっているんですね。プレゼンや講演でも緊張したことがないと聞きましたが。 水崎そこまでは緊張しませんね。コミュニケーション能力を磨いてきたおかげ、というのもあると思いますが、自分の意見を話すこと、何より人と接していることが楽しい。そういう場でしゃべっている自分は、嫌いじゃないです。
「ないものを作る」という“欲”は、“本能”。
星野いつ頃からアニメーションの世界に入ろうと思ったのですか。 水崎ハッキリと意識したのは、おそらく高校生の頃。ですが、中学3年の進路希望調査には「アナハイム・エレクトロニクス社※に入りたい」と書いていましたね(笑)。幼少の頃からガンプラが好きで、今も趣味のひとつになっていますが、もともと『作る・描く・組み立てる』ことが好きでした。プラモデルになっていないものは段ボールなどで自作していたくらい。そのときから「ないものを作りたい」という欲求が強くあって、この道を選んだ理由にもなっています。 星野 欲求を満たすものが仕事になる。僕がデザイナーを目指した思いと重なります。胸にストンと落ちる言葉。 水崎 自分でことを起こそうとする人は、みんな同じような思いがあると思います。この欲求は、本能だと思っています。『作る・描く・組み立てる』とプロセスは、アニメーションもプラモデルも同じ。本能の趣くまま動いた先に『神風動画』があった、という感じでしょうか。ただ、今は欲求のはけ口が、完成した瞬間ではなく、創り出したものが世に出て動き出した瞬間に変わりましたね。 ※アナハイム・エレクトロニクス社:アニメ「機動戦士Zガンダム」から登場する架空の企業。
|