インスタントコーヒーで立話

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DALUTI 斉藤 禎典 Sadanori Saito

「Coffee & Session episode ZERO」

Coffee & Session が始まるきっかけ。
それは、髪を切っているときの、何気ない雑談から始まった。
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アイディアのソースとなる、感性が響き合う人との出会い

星野斉藤さんとの出会いは、仕事の仲間から「星野さんと感性が合いそうな美容師さんがいる」と紹介されたことがきっかけなんですよ。「絶対合うから、会いに行って来なよ」と。それで髪を切るためにアポイントを入れて訪ねたんですけど、お店の外観を見ていきなりズキュン!そして、実際に斉藤さんにお会いしたら、それ以上の衝撃を受けました。「この人、日本人かなぁ」と(笑)。見た目は日本人か外国人かわかんない中途半端な線をいってるんだけど、考え方、ビジネススタイルが振り切れていて、実にカッコいいなと。
斉藤僕も星野さんと会ったとき、少しはビビッとくるものはあったよ(笑)。考え方とかものの捉え方、感性が響き合う感じが面白いと思った。
星野ありがとうございます。それから僕が髪を切るのに通うようになって、いろいろ話をするようになると、本当に毎回、今後の仕事を広げるアイディアを持ち帰って来るようになって。僕より一歩先を進んでいる良きアドバイザーというか、常にアイディアのソースとなってくれる、なくてはならない存在になっていたんですよね。
斉藤星野さんと話していると、僕もどんどんいろんな言葉やアイディアが出てきて、すごく楽しい。結構適当なこと言ってるけどね。良き相談者のつもりが、今は自分たちの思いを語り合う戦友のような感じだよね。
星野自分のお店を持って20年になる斉藤さんに比べれば、『テクイジ』はまだ10年ですからね。歳は4歳しか変わらないのに、僕より広い世界を知っていて、スケールも大きい斉藤さんは、ちょっとした目標でもあります。


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反射神経と妄想力、瞬発力と形成力

斉藤「Coffee & Session」の話も、いつものように髪を切っている雑談の中から生まれたんだよね。確か、アメリカ版「わらしべ長者」で、赤いクリップからどんどん高級なものに変わって行くという番組の話をしていたときに、人から人へつないで行く、ソーシャルネットワークの力ってすごいよねって話になって。もしかしたら、人でつなげていけば、レデイ・ガガまでつながって行くかもしれないなんて、悪ノリに近い状態で盛り上がったんだよね。人って、意外なところや視点でつながっていたりするから、面白いことができそうじゃない?って。
星野斉藤さんと話していると、ただの雑談がいつの間にかカタチになっていくんですよ。だから僕も、話していてどんどん肉付けするものが浮かんできて、まあ、冗談みたいなこともいっぱい出てくるんですけど、それでも中には光るものがあって、その欠片を拾っていくと実現できそうなものが浮かび上がって来る感じですよね。
斉藤僕は反射神経で生きている人間だから、言葉より映像が先にくることが多くて、それを“妄想”って言っているんだけど(笑)、その僕的“妄想”を星野さんがカタチにしたのが「Coffee & Session」。
星野そういう意味では、僕の中では「Coffee & Session」は、カタチにするのに瞬発力を使った珍しいパターン。意外とじっくりいくタイプなんで。
斉藤確かに、瞬発力は凄まじかったよね。まさか、第一回目にあんなインパクトのある人(『神風動画』水崎さん)が来るとは思わなかったから、正直、驚いた。でも、それが『テクイジ』っぽいと思ったよ。


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プロフェッショナルの持つ個の力がチーム力になる素晴らしさ

星野斉藤さんは美容室だけではなく、シャンプーなどのオリジナルブランド「jamlabel」の商品開発はもとより、美容業界のオリジナルブランド立ち上げを支援する『プライベートラボ』にも関わっていますよね。美容師以外の顔を持つ斉藤さんの行動力というか実行力には、いつもすごいなと思わされます。
斉藤僕は美容師だけれど、美容ということにこだわらずに仕事をしているんだよね。美容師が髪を切る、美容のことをやるって、別に普通でしょ? でも、“ヘアカットできる大工さん”だったらニュースになる。だから、“美容師だからこう”というものを持たないようにしている。だから良いと思った事はやってみようと思えるんじゃないかな。
星野「jamlabel」はどんないきさつで立ち上げたんですか。
斉藤実は、ゴルフ場での3分間の会話から(笑)。でもそれがカタチになってしまった・・・。このとき「プロフェッショナルの力」はスゴイ!と思った。個々では、その業界でしか発揮できない小さな力かもしれないけれど、プロフェッショナルが集まると、これまでできないと諦めていたことがどんどんカタチになっていく。「jamlabel」もそうだけど、美容室業界で問題になっているシャンプーなどの水質汚染問題に取り組む「地球環境プロジェクト」の立ち上げも、プロフェッショナル集団があったからできたこと。今はこのプロジェクトが10年後、20年後、どう広がっていくかが楽しみ。
星野長いスパンで物事を考えることや、プロフェッショナルが集まって仕事をすることの凄さも、斉藤さんから学んだことのひとつです。「Coffee & Session」は、プロフェッショナルが集まって動いているものですし、そうすることで、いろいろな仕事が動いて行っているのを感じています。
斉藤星野さんの仕事も、プロフェッショナルがたくさんいる業界だからね。プロフェッショナルが集まると、やれることが広がる。小さな “個の力”が大きな“チーム力” になるってこと、僕はものすごく大切にしてる。


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“自分でやれる人”と“誰かがやってくれる人”

星野あと、僕がいつもお店に来たときに観察していて、参考にしたいと思っている斉藤さんの仕事に対するスタイルがあるんですけど。
斉藤僕が本業(美容師)をやっているときに、星野さんの参考になるようなことなんてないと思うけど(笑)。
星野ありますよ。いや、ヘアカットじゃなくて、スタイリングでもなくて(笑)。
斉藤だって星野さん、最後のスタイリングは自分でやっちゃうじゃない(笑)。
星野それは……すいません。そんな客、いないですよね(笑)。そうではなくて、オーナーとしての在り方、社員への教育という視点です。ものすごく教育されていて、自分のやるべき事はもちろんしっかりこなしているんですけど、もう一歩進んで、今、この状況で自分は何をすればいいかを、自分で考えて行動できているという風に見えます。
斉藤そう言ってもらえるとうれしい。だけど、僕は何もしていないよ。ヘアカットはできるけれど、どこに何があるか知らないし、店のことは結構任せっきり。
星野でも、僕には斉藤さんがあえて“知らない”ことにしているように見えますけど。
斉藤手を出しすぎないことは意識しているかな。適材適所って、やっぱりあると思うんだよね。僕は、やりたいことは口にするけど、やれる人間じゃないから、やってくれる人間が必要で、現に今、僕のサポートをしてくれる人間がちゃんといる。
星野確かに。斉藤さんは、サポートしてくれる人が自然と集まってくるという感じがします。
斉藤そうかもしれない。僕は、会社のトップやリーダー的存在の人には「自分でやれる人」と「誰かがやってくれる人」の2種類しかいないと思ってる。僕は「誰かがやってくれる人」。僕は裏方。今回の「インスタントコーヒーで立話」は、 “友情出演”というのが僕の立ち位置かなと思ってる。


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コーヒーで朝のシンキング(妄想)タイム

星野ところで、斉藤さんがいろいろな考えをまとめたり、アイディアがひらめくときって、いつが多いですか。
斉藤“ひらめき”は、「人との出会い」から生まれている気がする。思いもかけない出会いの連続から生まれる“ひらめき”は、すごく刺激的だし、カタチになりやすい気がする。「出会いがひらめき」。これは大切にしていきたいと思ってる。星野さんとの出会いも。あとは、朝早く起きてコーヒーを飲みながらビジョンを考えるのが習慣になっているね。「妄想」と「現実」をつなげる朝のひとときは、すごく大切。庭に出て、朝の空気を吸いながらコーヒーを飲む。ボーッとしている中で、いろいろな「妄想」が頭の中に浮かんでくるけど、それを「現実」とつなげていくのは、朝がいい。そして、コーヒーは必須アイテム。今日の取材についても、考えたよ。「何をしゃべろうか」って。だけど結局 「何も考えずに行こう」ってなった。何か、その場の雰囲気を大事にした方がいい気がしたから。
星野でも、着て来るファッションは、考えてくれたんですよね?
斉藤なんとなくね(笑)。お互い似ているものが好きだから、ファッションが被り気味だし「被らないようにしよう」って相談していたのに……被っちゃったね(笑)。
星野見事に被りましたよね(笑)。これも感性が合うということでアリかなと思いましたけど。
斉藤こうやってなんでもないところから合っちゃうっていうのは、面白いよね。これからも僕の「妄想」に付き合って、カタチにしていってよ。
星野こちらこそ。僕のアイディアのソースとして、いろいろ「妄想」しちゃってください。今日はありがとうございました。