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“デザイン”という大枠が、新しいチャレンジへの
柱となる

 

星野後藤さんは建築に携わっているのに、バッグのブランドを立ち上げたり、精力的に事業展開していますよね。建築以外の分野を始めたきっかけは?
後藤「difott」に関して言えば、建築をやっていた人間がバッグを作っているというプロセスが面白いんじゃないかと思ったことです。「difott」に限らず、事業というものはいろいろな展開ができるもので、企業はそうやって伸びて行くものだと思うんです。それは個人事業主や個人事務所も同じだと思っているので、事業展開していくことに、躊躇する理由はありませんでした。それに、建築でもバッグでも、僕が手掛けるものはすべて“デザイン”という大枠でつながっているので、違和感もありません。
星野その感覚、とても共感できます。僕の仕事も、細かく分類すればグラフィックデザインということになるのですが、 “デザイン”の定義はとても懐が深くて、いろいろな可能性を秘めています。僕にとって“デザイン”という大枠の定義は柱でもあるので、グラフィックだけにとどまらず、柔軟な発想で新しい“デザイン”の世界へとチャレンジしていきたいと思っています。
後藤星野さんも、オリジナルブランドのギフトコーヒーといったアイテム、看板、空間ディレクションなど立体のデザインなど、グラフィックの枠を超えた“デザイン”を手掛けていますよね。でもお互い、違う分野を手掛けているという感覚はない。平面だろうが立体だろうが、紙以外の素材だろうが、表現する場や物質が変わっても、想像する力があれば“デザイン”する場は無限大に広がっていくと、僕も考えています。