プロセスを大切にしている姿勢がとても共感できて、心地いいとさえ感じました。同じ感覚を持った人と仕事をすることがこんなにも楽しく心地いいのかと、初めての感覚に感動したくらいです。 星野プロセスはデザインする上で最も重視すべきものだと、常に思考の中心に据えています。個性的なファッションをしているし、デザインもカッコイイことだけを追求していると、よく勘違いされていますけどね……。確かに、デザインの見た目はかなり重視しますが、プロセスをすっ飛ばしているわけじゃない。 後藤話をして、一緒に仕事をすれば分かるはずなんですけどね。星野さんが思考やプロセスをとても大切にしてデザインしていることが。だから星野さんのデザインはブレないのだと思いますし、見た目とプロセスのバランスがとれた、意味のあるカッコイイデザインが生まれているのだと思います。確かに、星野さんのファッションを見たら、その「ちゃんとした感」とのギャップはありすぎますけど(笑)。 星野ファッションとのギャップは、狙い通りですけどね(笑)。そうは言いつつも、僕も若い頃はノリだけでデザインしていた部分もあったと思います。デザイン事務所に所属していたとき、社長に「君のデザインはノリだけだ。もっと理論的に考えなさい」と言われましたから。その頃は、デザインと平行して企画を徹底的に教え込まれました。それが窮屈だと感じたこともありましたが、プロセスがなくてはデザインできないと考えられるきっかけにもなりました。 後藤アートディレクターとしての、星野さんの原点ですね。 星野ビライ先生とはちょっと違うけど、あの経験が、今すごく生きています。 後藤デザイナーさんて、つくづく幅広いですよね。人としての魅力もそうですが、思考・着眼点・想像力……いろいろな意味で。“デザイン”という“枠”を作ってしまうことすらしていない気がします。 星野そう感じてもらえたら、デザイナー冥利に尽きますね。Coffee and Sessionのコンセプトは「想像を超えろ!」ですから。デザインはノリと理屈の両輪と僕は思っていますが、今回の上履きプロダクトは、後藤さんとのセッションで「想像を超えた」と思っています。 後藤固定された最終形を目指すために思考を巡らせるのではなく、プロセスに思考を巡らせることこそが大切。プロセスを大切にしたからこそ、意味のある最終形になったという結果だと思います。
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