て、そこへ向かっているというイメージはやっぱりないですし、きっとそのときの直感でまた動くんでしょうけど、漠然と、何かしらアパレルの仕事は続けていくだろうなとは思っています。
星野一代で終わらせるつもりはない、と?
栗田そういう意味では、終わってもいいと思っています。自然につながれば続いていくのかなと。でもまあ、そうですね、将来的にはさらに凝縮した形でやっているかもしれませんね。自分がまたお店に立っている、とか。
星野れはそれで楽しみですね。そういう考え方、料理人に多い気がします。総料理長とかオーナーという立場を経験してきた方は、また現場に立ちたいと思うそうなんです。しかも、目の前にいるお客様だけのために自分の料理を振る舞うという、小ぢんまりした形態だったりするんですよね。
栗田ああ、分かります。もう一度、自分の届く範囲で、店をやってみたいと思うこともありますから。自分の好きなものを好きだと言ってくださる顧客様だけのためにセレクトする。そんな形態もいいなと。
星野東京のお店はそれに近いですよね?
栗田そうですね。代官山のフラッグショップを恵比寿に移転して、顧客様の満足度を高めることを重視する方向へとシフトしました。これまで路面店ということで万人受けするセレクトも意識していたのですが、今は顧客様だけにフォーカスしたアイテムをセレクトしています。
星野僕はまんまとその策にはまっていますよ(笑)。三森さんがお勧めしてくれるアイテムがいつもドンピシャで、僕専用のスタイリストという感じ。最近ではウェルカムドリンクでもてなされ、ゆったりした雰囲気の中で買い物できるというのも、特別感があっていいですよね。
栗田元々現地で自分の好きなものを買い付けて、自分のセレクトを気に入ってくださったファンの方が顧客様になってくださった、というのが僕のスタート。原点に返る、というわけではないですが、自分の“城”で好きなことをやってみたいという欲求は少なからずありますね。東京のショップは、そのイメージに近い形でできていると思います。
星野20年後は、気ままに、栗田さんの好きなように、好きな形でやっていると。
栗田そうですね。時代の変化で自分の考えも少しずつ変化していくと思うので、もしかしたら今語っている形ではないかもしれませんが(笑)。でもそうやってそのときそのときで未来を描き続けていくと思います。
星野僕としては、栗田さんが店頭に立つお店に興味がありますから、ぜひ実現させてほしいと思います。
栗田そのときは、ご来店お待ちしております(笑)。