自然体で生きることは難しくない

大切なのは心のルーティン


星野
 聞けば聞くほど食養生は懐が深く、あらゆることに応用できますね。僕が興味を持ち、共感できたのも、そういった面があるからなのでしょうね。
辻野 先ほどは、日常のルーティンが大切だと言いましたが、人生をベースに考えたとき、心のルーティンの方が大切です。
星野 どういうことですか?
辻野 例えば、星野さんはどういう死に方をしたいですか?
星野 生き方じゃなく、死に方ですか?
辻野 そうです。私は100歳まで生きるつもりなので、80歳からが稼ぎ時だと思って、人生のプランを立てています。
星野 100歳!辻野さんは仙人を目指しているんじゃ?!いや、辻野さんならなれそうですね。質問とはちょっと違う答えかもしれません

が、僕は30歳を過ぎたとき初めて死を意識して、後悔しない生き方をしたいと思いました。60歳までのビジョンはありますが、その後のプランは特にないんですよね。
辻野 仕事中心のプランなのでしょうね。でも、意外です。
星野 辻野さんのように仕事と家族のバランスが取れているライフスタイルは、正直、憧れます。けれど、日々の時間軸が仕事中心で、人生のプランも仕事の優先順位が高い今のライフスタイルも、嫌いではありません。
辻野 それで良いと思います。明日死んでも悔いない人生を目指すのであれば、100%心のままに生きればいいんです。ただ、80歳まで自力で生活し、その後に死を意識するのならば、それなりに健康的なライフスタイル=食養生を取り入れる必要があり、努力と心とのバランスをとる必要がでてきます。つまり、心のルーティンというのは、人生のラストを決めることで初めて、その人が目指すべきライフスタイルが決まり、それによっては食養生の処方が異なってくるということです。ただ、今の星野さんは仕事中心で刺激のある生活をしています