現代日本の食文化を変えることから始まる

星野心のルーティンという感覚、これから持ち続けていきたいと思います。
辻野星野さんのような仕事なら、移住してもできると思いますよ?
星野そう、思うんですけどね。今の自分が安曇野に住んでも、時間軸はやっぱり東京時間だと思うんです。このスローな安曇野時間を満喫するライフスタイルにならない。それはもったいないなと。辻野さんは若い頃からこういった生活に憧れていたんですよね?
辻野それが、全く!サラリーマンでバリバリやっていた時代もありますし、食事療法士になっても、師匠についてあちこち飛び回る、仕事中心の生活でした。
星野師匠の影響ですか?
辻野そうですね。高校の頃にやっていたフィールドホッケーを通して鍼灸を知る機会があって、その仕組みの中に腑に落ちることがたくさんあったんです。調べていく過程で菅野賢一博士にたどりつきました。生化学の研究者から治療家に転身した経歴もインパクトがありましたが、東洋医学に基づいた食事を中心とした難病の治療方は衝撃衝撃的で、「現代のブラックジャックだ!」と思いました。高校を卒業してすぐに弟子入り。食養生の基礎も菅野博士から学びました。菅野博士からは「医者になれ」と言われましたが、東洋医学と食養生がとても面白くて、どんどん追求していくうちに、自分が実践しなくてはと思いました。
星野移住への準備で、最も大変だったことはありますか?
辻野ないですね。ですが、自分がプレーヤーだった頃は難しかった

よね?そういう人が今スローライフを始めたら、刺激が少なくなって逆にストレスになったりするものです。それは心に良くない。そのときの自分の優先順位と状況に合ったライフスタイルであればいいのかなと、星野さんを見ていると思います。私としては、星野さんにはぜひ60歳以降の人生を思い描いて〝死に方″を考えていってほしいなと思います。
星野辻野さんは今、心のルーティンができてきているんですね。
辻野今は子どもが中心の時間軸で、自分もそれが最優先事項。けれど80歳以降はバリバリ働く予定なので、拠点はまた東京になっているかもしれませんし、九州や北海道で暮らしながらバリバリ、かもしれません(笑)。
星野僕も焦らず、心のルーティンを整えて行こうと思います。
辻野ぜひ。そうすれば60歳以降のプランが見えてくると思います。