業にできる人は、そういませんよ。
谷本 とても幸せだなぁと思います。でも、スポーツフォトグラファーとして仕事が成り立つようになったのは、ここ6年くらいです。最初の10年は、ラグビーが好きだから、自ら試合会場に足を運んで撮りに行っていただけで。
星野 本格的にスポーツフォトグラファーを目指し始めたのは、いつですか。
谷本 いつでしょう(笑)。写真は好きでしたし、漠然とカメラマン

になりたいという気持ちはありました。何よりラグビーが好きだったので、スポーツフォトグラファーというより、ラグビーを撮りたいと思っていました。高校で写真部に所属し、卒業して日本写真芸術専門学校に入って、いろいろなものを撮りました。被写体は風景とか静物とかが多かったですけど、やっぱりラグビーを撮っているときが一番楽しかったですね。だから卒業制作の課題が『9カ国を巡って、自分の決めたテーマで写真を撮る』と聞いたとき、テーマはスポーツしか思いつきませんでした。