北海道に住むことは譲れなかった

懐の深い北海道が俺を受け入れてくれた

田中ようこそ、北海道へ!
星野2回目のチャレンジで、やっと田中とのセッションが叶ったよ。
田中1回目にオファーがあったとき、スケジュールが合わなくて残念だったけど、今回、改めてオファーをもらって、本当にうれしかった。星野の仕事にかける本気度が伝わった。
星野俺はだいたいは本気だよ(笑)。高校3年間ずっと同じクラスだった田中とセッションできるなんて、ちょっと感慨深いものがある。いつもとは違ってかなりラフな感じで進みつつ、濃い内容で突っ込んでいくから、よろしく。
田中なんか、ちょっとプレッシャー?うん、でも、楽しみにしてたから、おてやわらかに。
星野じゃあ、まずは北海道に移住しようと思ったきっかけは?
田中きっかけと言うか、影響を受けたのは、北海道に住んでいたじいちゃんだと思う。子どもの頃、夏休みとかを使って北海道に遊びに来ていて、「北海道っていいなー」と、子ども心にいつも思ってたきがする。それでいつの間にか、北海道に住むことは俺の中で当たり前の感覚になっていた、という感じ。
星野北海道は人を受け入れてくれる懐の深いイメージがあるけど、実際どうなの?
田中星野のイメージ通り、とても懐が深いよ。でもみんなシャイで、打ち解けるまでには時間がかかる印象があったかな。でも、一旦打ち解けるととことん受け入れてくれる。支え合わなくては生きていけない厳しい環境だから、自然とそういう風土になったんだろうね。

自分の潜在能力を見抜いてくれた先生の存在が導いてくれた道。

星野田中はコミュニケーション能力高いよね。
田中それは、前の職業が小学校の先生だったことも大きいかな。子どもだけじゃなく、親御さんや地域の方とか、子どもを取り囲む大人たちとも接する場面が多くあったし。そういう中で培ったものが、ネイチャーガイドになった今も生きていると思う。

もきっかけにはあったけど、一番は、その先生が「人と触れ合う職業が向いてるんじゃないか。学校の先生もいいと思うよ」って言ってくれたことかな。その言葉がずっと心の中にあった。それで職業にするなら先生かなと、漠然と思うように。
星野その先生、すごいね。田中のコミュニケーション能力の高さを見抜いて、田中の人生に影響を与えたわけだから。先生になったいきさつは分かるけど、北海道に決めたのは何で?
田中「北海道に行きたい!」ってとこは、職業を決める前から自分の中で決まってた。幼い頃から北海道に住みたいと思ってたからね。でも仕事あるのかな?って(笑)。農業?漁業?・・・。とにかく仕事をどうするか考えなくちゃと思ったわけ。当たり前だけど仕事しなければ生活できないわけだし。そのとき、公務員だったら仕事があるんじゃないかって。そうやって考えたら、そういえば、小学校はどこにでもあるよな、なら俺がなりたい先生でいけるんじゃない?って(笑)。北海道が先にあって教員という職業が後からついてきたから、何か後出しみたいに思うかもしれないけど、本当に偶然、夢と希望が合致したから実現しただけ。俺的には、両方叶ってすごくラッキーだった。それで迷いなく北海道の大学進学を決めて、そのまま北海道で教員になったんだ。

星野 ネイチャーガイドという職業もそうだけど、お客さん1組との「貸し切り」を掲げているわけだから、人間関係の構築はすごく大事な要素だよね。
田中人間関係が上手く築けないと成功しない職業だと思うし、ある意味人と向き合う仕事。そこを上手くやれるかどうかは、コミュニケーション能力があるかないかってことになるのかもしれない。子どもたちを相手にしていた教員時代の経験が活かされてるなと、本当に思う。
星野田中は、高校のときから学校の先生になりたいと思ってた?
田中そう。大学も釧路の教育大だもん。漠然と、高1のときには考えてた。
星野きっかけは何?
田中中学校のときの担任がすごくいい先生で、その先生に対する憧れ

ネイチャーガイドは元小学校の先生

「体力の限界」で「惜しまれつつ」辞めた?!

星野 着々と北海道移住計画を進めたわけだ(笑)。実際、先生って職業はどうだったの?向いてると思った?
田中向いてたと思う。何より、先生という職業が好きだった。嫌になったから辞めたわけじゃないしね。もっとやりたいことができてしまったから。あとは、タイミングかな。ほら、よくスポーツ選手が体力の限界を感じて引退するって言うでしょ?俺もそれ、感じたんだよね。とにかく子どもと触れ合って、本気で遊んでなんぼだというタイプの先生だったから、30過ぎたあたりからヤバいなと。
星野ええっ!早くないか?
田中いや、そう言うけど、6年生の男子と本気でサッカーやったら、結構キツいよ?それで、あるとき、ああ限界だなと。もちろん、別の方法で子どもたちと新しい信頼関係を築く道もあったけど、俺の先生像はそこにはなかったんだよね。だから、文字通り体力の


限界を感じたとき、キッパリ辞めようと思えた。
星野自分の先生像が貫けないからなんて、カッコイイじゃん。
田中そうでしょ?それに、ほら、スポーツ選手の引退記事は「惜しまれつつ」っていうのが定石じゃない。だから俺も、子どもたちから「辞めないで!」って、「惜しまれつつ」と言われるタイミングで辞めたいなと(笑)。
星野それが事実だったら、相当ドラマティックだけどね(笑)。でも、子どもたちに慕われていただろうから、似たような感じだったと想像できるよ。

     ネイチャーガイド“田中スタイル”の確立

田中そのときは、他にもやりたいことがいくつかあったんだけど、教職を越える情熱を傾けられるのはネイチャーガイドしかないなって。スティーブ・ジョブズの言葉に「新しいことを始めるときに一番大切なことは、それを成し遂げたいという情熱です」という言葉があったけど、まさにそれ。せっかく北海道にいるんだから、この大自然の中で仕事をしてみたかったし、何かを伝えるネイチャーガイドは教師と共通する部分がある。これまでのキャリアが生かせると思った。

星野そうか……。いや、実は田中がネイチャーガイドなんて、しっくりきてなかったんだよね。でも話を聞いたら、何かすごく腑に落ちた。田中らしいなと思えたし、自分のスタイルを持っていて、貫いてるなと。
田中自分のスタイル、か。どうなんだろう。考えたこともないけど、どうすれば自分が満足する道へたどり着けるかは、考えていたかもしれない。特に、北海道に来ることを決めて、どの道を選択したら北海道に行けるか、どの道を選択すれば定住できるかって。
星野そこだよ。「doko-ico」のガイドスタイルだって、言わば“田中スタイル”。どうすればお客さんが喜んでくれて、満足してくれるかってところにフォーカスしたから、「貸し切りガイド」って道を選択したわけだし。道を選択するときって、切り捨てなきゃいけないものが出てくることもある。そのとき、自分のスタイルが確立してなきゃ、決断できない。決断できなきゃ、道を選択することすらできない。
田中そこまで大層な考え方はしてないけどね(笑)。でも、そう映るのならうれしい。それこそ、お客さんが俺のスタイルを評価してくれてるってことだから。何か、すごくカッコよくまとまった気がするけど(笑)。
星野カッコよくまとまったところで、ネイチャーツアーのスケジュールを立てよう(笑)。
田中どこか行きたいところは?
星野そこはやっぱり、人気ネイチャーガイド“田中スタイル”にお任せするよ。
田中じゃあ「1日お任せツアー」で。今の季節なら、やっぱり知床。本当なら流氷が接岸しているんだけど、今年は暖冬だからかなり遅れてる。先週の寒波でなんとかなるかと思ったけど……厳しい状況なんだよね。今晩風が吹けば、あるいは、ってところ。でも、肉眼で見られるところまでは来ているから。あとは網走の氷瀑かな。午前中に氷瀑、午後に知床、夜はナイトウォッチング。1日がかりだけど、体力は大丈夫?氷瀑も知床もスノーシューを履いて雪の上を歩くから、結構体力消耗するよ。
星野No problem! 行こう!

06

大自然が心を開く

冒険や心の癒しを求めてネイチャー
ツアーに参加

田中さて、まずは氷瀑。ちょうど陽が当たる時間だから、いい写真も獲れると思う。さあ、20分、頑張って歩いてね!
星野ところで氷瀑って何?
田中おまえ何も知らないねぇ。凍った滝のことだよ。
星野勉強になります。スノーシュー、初めて履いたけど、いいねこれ。お客さんはやっぱり雪国じゃない人が多い?
田中そうだね。関西からが一番多くて、次が東海。
星野リピーターも増えたんじゃない?
田中ありがたいことに。最初のリピートパターンは季節を変えて来るお客さんが多いね。その後のリピーターは“発病”しちゃった人(笑)。この土地の雰囲気とか、自然の懐の深さとか、そういうものに魅せられちゃったら、もう毎年。来ないと禁断症状が出ちゃうんだって。
星野そのうち、田中みたいに移住しちゃう人もいるんじゃない?
田中もういる(笑)。女性の方なんだけど、こういう環境の中で暮らしたいと思ってしまったらしい。ネット環境さえ整っていれば、自分の仕事はどこに住んでいてもできると気がついちゃったから、移住まで早かったよー。
星野みんな北海道の大自然に癒しを求めて来るのかな。
田中女性やひとりで来るお客さん、リピーターの方は圧倒的にそうだと思う。もちろん、ワ

07

クワクする冒険心とか好奇心を満たすっていうのもあると思うけど、共通しているのは非日常を求めているってこと。 
星野いろんなお客さんがいて、いろんなことを求めていて、それを満足させるのは大変だよね。ガイドとしての実力はもちろん、それこそコミュニケーション能力が高くないと。
田中ガイドしているときは、自然や動物の話が大半ではあるんだけど、合間合間にその人のパーソナルな話にも触れたりしていくんだよね。僕がガイドを始めたのが37歳だったから、その歳になれば、それなりにいろんなことを知っているし、話の引き出し方とかタイミングとかも計れるようになっているよね。会話のプラスαは経験値とか人生経験がものを言う。お客さんがどんな話で盛り上がるのかは、その場になってみないと分からないし、人によってどんな反応を望んでいるのかは違うしね。やっぱりコミュニケーション能力の高さは大事。あとは経験。——さあ着いた。
星野おおー!すごい!滝が全部凍ってるのなんて、初めて見た!
田中歩いて行った先にこういう景色があるのって、いいでしょ?
星野これは、癒しを求めて来る気持ち、分かるなー。迫力以上に大自然がつくる美を感じる。白銀の世界に心も澄んでいくというか。
田中緑の森と滝もいいけどね。冬の美しさは格別だよ。今の時期の北海道は天気も安定しているし、ネイチャーツアーもおすすめできる。

星野初夏とか夏にもう1回来たいなー。そのとき感じるのは冒険心な気がする。同じ場所で感じるものが違うかもと思えるのも、季節を変えてリピートしたいと思えるもうひとつの理由かもね。

自然の中で心を癒す、ガイドとの会話で心がまるくなる。

田中さあ、次は知床。流氷が見える岬まで40分。歩くよ!
星野世界遺産に来るのは初めて。ワクワクするね。動物にも会えるかな。
田中遭遇率は高いね。エゾシカ、キタキツネ、エゾリス、モモンガ、シマフクロウ、オオワシ……いろいろいるけど、冬眠中のヒグマと夜行性以外の動物なら会えるかもね。あ、ほら、足跡が残ってる。これは、エゾシカだね。
星野近くにいる?
田中ちょっと時間が経ってるから、残念ながら。でも、こうやって足跡があるってことは、確実にいるから探しながら行こう。
星野お客さんとは、ガイドとしての会話以外にどんな話をすることが多い?
田中いろいろ。悩み事とか仕事の愚痴とか、初めて会う人間でその人の環境とか知らない人だから、逆に話しやすいのかなって思う。自然の中にいるって状況も、心の中を吐露しやすくしているのかもしれないけど。心が穏やかになってくれるなら、北海道の大自然と一緒に受け止めたいと思う。
星野田中って、懐広いよな。人間、できてる。
田中いや、できてなんかいないよ。職業を取り巻く環境と年齢による経験値が、心の余裕っていうの?そういうのを持たせてくれたんだと思う。
星野カウンセラーっぽいね。大自然は時としてそういう役目をすると思うけど、田中もそういう役目を担ってるんだと思う。何かさ、声のトーンとかスピードとか、自然の中で聞くとすごい心地いいなと、今思った。
田中そうだったら、うれしい。
星野小学校の先生をやってたことだし、寺子屋みたいなこともやれるんじゃない?心を閉ざしてる子どものリハビリとかさ。
田中そういう話も時々もらう。子どもを預けたいんですって。でも、小学校の先生とは違うし、ましてや大人相手とも違う。ひとりの子どもの、下手したらこの先の人生を背負うってことだと思うんだよね。そんなに深く考えなくてもいいと言われるけど、俺はそうは思わない。
星野そうやって真摯に考える田中だから、やれるんじゃない?
田中うん。ありがとう。将来的に、やれる環境が整ったら考えるかもしれない。今俺ができることは、来てくれるお客さんを楽しませること。その延長上

09

に癒しがあるのであれば、うれしいけど、意図しているわけじゃないから。それを売りにしていくには、もっと経験と勉強も必要だよね。それよりは、後進を育てることに力を注ぎたいと思ってる。
星野後進を育てるのは、大事だよな。俺もそれが急務。
田中年齢的に、そういうところに差し掛かってるよね。——さあ、そろそろ。森を抜けたら、岬だよ。
星野おおおー!この景色は北海道じゃないと見られないよね。雪国は見慣れてるけど、これだけ広大な大地の雪景色はクルものがあるね!
田中そうでしょ?だから北海道が良かったんだ。あ、崖の先を見て!オオワシとハヤブサがいる。
星野バトルしてる!

田中ハヤブサのテリトリーにオオワシがうっかり入っちゃったんだろうね。珍しい光景だよ。結構近いし。星野、もしかして“持ってる男”?
星野北海道では、かなり“持ってる”かもしれない。俺、雨男なのにこんなに天気がいいなんて信じられない(笑)。
田中そうなんだ(笑)。流氷は残念ながら接岸してないけど、帯状に連なってる白い塊が流氷だよ。接岸してる景色は圧巻なんだけど……見せたかったー!
星野いや、この景色だけで十分だよ。ああ、でも季節変えてもう1回来たいなー。俺も  “ 発病 ”組になりそうだ(笑)。
田中星野の仕事もある意味、場所を変えてもできるでしょ?俺はいつでもウェルカムだよ(笑)。
星野そのときはヨロシク(笑)。

<網走湖にて〜わかさぎ釣りでのひとコマ〜>  アソビの中にも“センス”がある

“センス”の定義はフィールドでもデザインでも同じ

田中こうやって糸を垂らしていって、重りがコツンと湖底に着いたら、少しリールを巻き上げてチョンチョンと糸を揺らす……と、ホラ、釣れた。
星野え?そんなにアッサリ釣っちゃうわけ?!
田中俺が釣れたんだから、隣にいる星野もすぐ釣れるはずだよ。ある程度群れになっているからね。あ、また釣れた。
星野さすがネイチャーガイド。コツってあるの?
田中こう、ツンツンときたら、クッと軽く引いてみて。糸が斜めに動いていったら、釣れた証拠。あとは巻き上げるだけ。
星野そう言われても……ツンツンの感覚すら来ないんだけど。 —そうこうしている間に、田中さんとスタッフが交代。糸を垂らした数十秒後、スタッフがいとも簡単に釣り上げる。
星野何でだ?
田中うーん……こういうアソビにも、センスってあるんだよね。
星野俺には、わかさぎ釣りのセンスがないと?
田中センスを売りにしている職業だし、スポーツのセンスがある星野に言うのは酷だけど……。あ!オジロワシだよ!上を見て!
星野おお!近い!
田中網走湖は遭遇率が高いけど、こんなに近くを飛んでいるのを見られるなんて、すごくラッキーだよ。星野、“持ってる男”だね。
星野そこ褒められても。だけど、音もなく飛んで来たのに、よく気がついたね。他の(網走湖でわかさぎ釣りをしている)人たち、誰一人、気付いてない。
田中ネイチャーガイドの“センス”かな。
星野さっき、アソビにも“センス”があるって言ったけど、ネイチャーガイドにもやっぱりある?
田中あるね。例えば、今みたいなこととか、夕べのナイトウォッチングもそうだけど、動物を誰よりも早く見つける能力は“センス”だと思う。
星野それって、訓練で身に付かないもの?
田中もちろん身に付くけど、スタートの時点で差が出てる。後進のネイチャーガイド志望の子たちを見ていて、ある子とない子はやっぱり違う。

 

星野フィールドでもデザインの現場でも、同じってことか。

好きな気持ちと情熱が、時に“センス”を凌駕する?

星野ネイチャーガイドに求められる“センス”って何だと思う?
田中難しいね。さっきも言ったけど、一言で表すなら、動物をいち早く見つける能力。感覚と広い視野、かな。
星野訓練で身に付くって言ってたけど、“センス”って、それだけでは身に付かない気がする。
田中そうだね。広い視野は訓練で身に付くけど、感覚はそう簡単にはいかないかもしれない。
星野広い視野を身につける訓練は?
田中ネイチャーガイドには広い視野を持つことが必須条件だから、とにかくフィールドに出て実地訓練するしかない。目で捉えた違和感、これは動物の足跡とか存在を視覚として捉えるってことなんだけど、文字通り、目で見る範囲を広く持っていないと捉えられない。視線を1点に定めて動かすのではなくて、目の前に広がる景色すべてに視線を向けるというイメージ。これは訓練すれば確実にできるようになる。危険をいち早く見つけるという意味でも、できなくてはならないものだと思う。
星野じゃあ、感覚は?訓練では難しいと、俺は思うけど。
田中そうだね。視覚で捉えるのではなく、気配を感じとる。これは少なからず“センス”が

 

必要かな。訓練である程度は身に付くと思う。
星野ある、ないではそもそもスタート位置も成長のスピードも違うし、身に付くまでにも差が出てしまうけど、身にはつくのかもしれないね。でも、磨かれなければ自分のものにはならない。
田中そうだね。デザインの場合は感覚を表現する、アウトプットするところまでが“センス”だから、そこは少し難しいかもしれないね。
星野それを言うなら、ネイチャーガイドだってお客さんを楽しませるところまでじゃない?例えば会話とか、アウトプットする場面がたくさんある。そう考えると、田中もセンスの塊でしょ。田中にはネイチャーガイドになる“センス”があったんだよ。
田中そう言ってもらえるとうれしい。でも、“センス”は付属品みたいなもので、好きかどうかが一番大切なものじゃないかと俺は思ってる。
星野なるほど。どれだけ好きで、情熱を傾けられるか。それが“センス”を凌駕することだってあるかもしれない……ってことか。
田中「好きこそものの上手なれ」って言葉もあるし。
星野 そうそう。……おっ!!かかった!!!
田中今!クッと引いて!おおー、釣れたね。やっと1匹。しかも今日イチのビッグサイズ!やっぱり星野は“持ってる男”だ(笑)。
星野わかさぎ釣りのセンスはないみたいだけどね(笑)。

11

「自分で家、作っちゃいました」

ベテランの大工さんや設計士さん、いろんな方の知恵と力を借りて、自分の手で建てた家が一番のお気に入りです。2×4の木造で、使っている木はすべてムク材、内装は漆喰で。もちろん、プロの手を借りなければクリアできない部分もありましたが、敷地の森の伐採から資材の手配、木組み、漆喰の塗りまで、建てるために必要な雑務や作業は自分の手でやりぬきました。でき上がった喜びはひとしお。思い通りの家が建てられて、満足しています。中でもお気に入りは2つ。ひとつは薪ストーブ。北海道で一番植林され、間伐材も多いカラマツの薪を使える日本製のものをチョイス。北海道の森林を健全に守るために貢献したいという思いもあります。当分は家を建てるために伐採したカラマツを使いますけど(笑)。そしてもうひとつの、これは俺たち夫婦の一番のお気に入り。森を見渡す大きな窓。夜になるとエゾシカなどの野生動物が姿を現してくれ、それを見ながらふたりでほっこりコーヒーを飲んだりするんです。本当に心がリラックスして、なくてはならない大切な時間です。北海道がくれた宝物だと思っています。

This Shop

アウトドアサービス doko-ico

「他のお客様に気兼ねなく楽しみたい」「ガイドさんにいろいろ質問したいり、何気ない話をしながら楽しく体験したい」「ガイドさんをひとりじめしたい(笑)」。さまざまなお客様の声から生まれた『アウトドアサービスdoko-ico』の「いつでも貸し切りガイド」ネイチャーツアー。ひとりでも、小さなお子様がいるご家族でも、ご年配のグループでも。それぞれ“他にはない”思い出の1ページをつくるため、全力でおもてなし。北海道オホーツクの素晴らしさを存分にできるネイチャーツアーを提案してくれます。

Data

北海道網走市字大曲  www.doko-ico.com     T. 090.2055.2661

<ネイチャーガイド ツアープログラム>
【4〜11月】
・トレッキング・フィッシング・ナイトウォッチング・1日お任せツアー
【12〜3月】
・スノーシュートレッキング・わかさぎ釣り・ナイトウォッチング
・1日お任せツアー
★お申し込み・お問い合わせはホームページより

 

  • Design tekuiji DESIGN
  • Photograph Indigohearts
  • Writer writer Moki